SEOにおいて、「どのキーワードで施策するか」はまず一番最初に決めるべきことです。
選定したキーワードにズレがあると、いくら努力して施策を行っても成果は出ず、徒労に終わってしまうでしょう。
SEOで成果が出るか出ないかは、キーワード選定にかかっていると言っても過言ではありません。
目次
キーワード選定をする前にサイトの目的を考える
最初から「SEOキーワードを選定しよう!」と考えても、「そのサイトで何を達成・実現したいか」が明確でなければ、仮にキーワードで上位表示できたとしても、ユーザーにとって何を伝えたいのかが分からず、意味のないコンテンツになってしまうでしょう。
ECサイトなら「商品を売る」、BtoBの製品を扱っているなら「お問い合わせや資料請求を獲得する」、メディアなら「会員(読者)を増やす」「広告収入を得る」など、どんなサイトでも何かしらの目的があるはずです。
まず第一に、そのサイトで達成すべき目的を明確に定め、それを実現するために集客したいターゲットを考える必要があります。
サイトを訪れるターゲットがずれてしまうと、いくらアクセス数が増えてもサイトの目的は達成できません。
どんな人に来てもらいたいかを大前提に考え、その人たちはどんな課題や悩みを抱え、どんな言葉で検索をするのか、入念に調査や考察をしましょう。
そうすることで初めて、サイトで狙うべきSEOキーワードが決定できるのです。
キーワード単体で考えず、サイト全体からキーワードを捉える
施策するキーワードが決まったら、対応するコンテンツを用意していくことになります。
ここで注意すべき点としては、キーワード単体で考えないということです。
例えば、①「SEO」②「SEOとは」③「SEO コツ」という3つのキーワードでそれぞれ施策する際、各キーワードを単体で捉えてしまうと、以下のような事態になる可能性があります。
①キーワード「SEO」に対応するため「SEOの基礎知識やSEOの方法」を説明する記事を書く
②キーワード「SEOとは」に対応するため「SEOとは何か?」を説明する記事を書く
③キーワード「SEO コツ」に対応するため「SEOを行うコツ」を説明する記事を書く
よく考えてみると、①に書いてある内容は②や③にも書かれることになり、大部分が重複してしまいそうです。
その結果、検索エンジンは「このサイトの中で”SEOのコツ”について書かれている記事はどれ?」と混乱し、複数の記事間で評価が割れてしまいます。
もちろん、記事を読むユーザーに対しても、複数の記事で同じようなことが書いてある状態は好ましくないでしょう。
そうならないためにも、キーワード単体で考えるのではなく、他に関連するキーワードや類似するキーワードを網羅的に洗い出し、サイト全体の中で各キーワードをどう配置していくか予め戦略立てることが重要です。
そうすれば、類似するキーワードは1つのページにまとめる判断ができたり、テーマが関連するページ同士をリンクして関連付けたり、サイトの中で不足しているコンテンツが把握できたりします。
キーワードの検索意図を正確に捉えよう
そのキーワードで調べている人が知りたいであろう内容を思い込みで作ってしまうと、本来の検索意図とはズレてしまい、思ったように上位表示することは困難になるでしょう。
施策するキーワードを決める際、そのキーワードの検索意図を正確に捉えることも必要です。
キーワードの検索意図は、大きく以下の3つに分けて考えましょう。
- 取引型(Transactional:トランザクショナル)
- 情報収集型(Informational:インフォメーショナル)
- 案内型(Navigational:ナビゲーショナル)
取引型(Transactional:トランザクショナル)
「取引型クエリ(Transactionalクエリ)とは、ユーザーが「何らかのアクションをしたい」と考えて検索しているものです。
例えば、「SEO ツール 購入」「SEO 業者 依頼」等のキーワードが考えられます。
何かを売買したい、入手したい、使いたい、予約したい、問い合わせたい等、明確なアクションを想定して検索しているケースが多いため、これらのキーワードで上位表示できれば、売上アップ等ビジネス上の成果にも直結しやすいと言えます。
当然ながら、SEOで順位を上げるキーワードとして優先度は高くなるでしょう。
これらのキーワードで順位を上げるには、サイトの内部構造やmeta設定などテクニカルな要素も無視はできませんが、結局のところ「商品やサービスがいかに優れているか」に大きく左右されます。
商品を買おうとしている人に対して、「テクニカルなSEO要素に不足はあるが素晴らしい商品が掲載されているサイト」と「テクニカルなSEO設定は完璧だが質の低い商品が掲載されているサイト」どちらが上位表示されるべきか考えると、やはり前者ということになりますよね。
サイトで何らかのアクションを起こして欲しいと思う場合、SEOの細かなテクニックに固執するのではなく、サイトで取り扱っている商品やサービスが優れたものであるか自問し、競合とも比較しながらブラッシュアップしていくことが結果的にSEOの成果にも繋がるのです。
情報収集型(Informational:インフォメーショナル)
「情報収集型クエリ(Informationalクエリ)とは、ユーザーが「何かを知りたい」と考えて検索しているものです。
例えば、「SEOとは」「SEO 歴史」等のキーワードが考えられます。
単に調べ物をしていたり、疑問を解決するための情報を集めたりしているケースが想定されます。
上記の取引型クエリと比べると、アクセスしたユーザーがサイト上で何らかのアクションを起こす可能性は低く、ただ情報を得て出ていくだけになりやすいと言えます。
しかし、何かの商品やサービスを検討したり購入したりしようとする際、その前段階として様々な調べ物をすることも多いでしょう。
解決したい悩みや課題について調べた結果、そこで初めて自分にとって必要な商品を知る可能性もあります。
売上に直結しないからと言って情報収集型の検索に対応するコンテンツを蔑ろにすると、集客の間口は狭まってしまい、機会損失に繋がります。
もちろん、SEOに使えるツールを販売しているサイトが「SEOの歴史」というコンテンツで集客しても最終的な売上にはほとんど繋がらないでしょう。
一方、「SEOのやり方」というコンテンツの場合、SEOの最適な進め方を知りたくてサイトに訪れた人が最終的にSEOツールの存在を知ることで、購入や問い合わせをすることはあり得るでしょう。
このように、サイトの目的とターゲットに合致していることが大前提の上で、情報収集型の検索にも幅広く対応していくことが重要です。
「コンテンツで幅広く集約する」という考えは昨今では広く浸透しており、様々なWebサイトに「コラム」「ブログ」といった形式で情報提供がなされています。
しかし、その多くは「読んで終わり」になっており、「集客したは良いけど最終的な売上には全く繋がっていない」という課題を抱えているサイトも後を絶たないのが現状です。
記事から売上に繋げるための情報設計をしっかり見直すことで、ただ直帰するだけの記事が金のなる木に化けるかも知れません。
コラムやブログからのコンバージョンに課題を抱えている企業のご担当者様は、以下のページを是非ご覧ください。
「案内型クエリ(Navigationalクエリ)とは、アクセスしたいサイトやページが明確に決まっている検索です。
例えば当サイトにアクセスしたいと思った場合、「サイト良くして委員会」で検索します。
そのサイト名やサービス名を名指しで検索することを「指名検索」とも言います。
最初からそのサイトにアクセスすることを目的とした検索であり基本的には1位に表示されることが多いため、特別な対策は必要ではないケースが多いですが、もし自サイト名で検索しても1位に出てこないようであればSEO上の何らかの問題が発生している可能性もあるため、原因を追及した方が良いでしょう。
また、サイト名やサービス名が既存の他サイトと被っている場合は、区別をつけるためにネーミングを再考することも視野に入れましょう。
ビッグ・ミドル・ロングテールも意識しよう
前述の3分類とは別に、検索ボリュームの大小によってキーワードを分類することもあります。
多くの場合、「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「ロングテールキーワード」に分けられます。
ビッグキーワード
そのジャンルや市場において最も大きなキーワードのグループを「ビッグキーワード」と呼びます。
何をもってキーワードが「大きい」と判断するかにも様々あり、単純に検索ボリュームの大きさで判断することもあれば、キーワードが持つ意味概念の大きさで判断することもあります。
いずれにしても、同業界のサイトであれば各サイトが挙って狙うキーワードである可能性が高く、必然的に競合性は高くなります。
もちろんビッグキーワードで上位表示ができれば多くの流入数が期待できますが、一方で検索意図が曖昧でターゲットを絞りづらい場合もあります。
例えば「SEO」はビッグキーワードであると考えられますが、「SEO」という言葉で検索する人の内訳は様々で、「SEOの意味を知りたい」「SEOのやり方を知りたい」「“セオ”というお店について調べている」など多岐に渡ります。
当然、サイトのターゲット以外の人も含まれるため、結果的にCVRは低くなるでしょう。
業界やジャンルによっては「ビッグワードで上がりさえすれば売上も上がる」というケースもあるため一概には言えませんが、「ビッグキーワードで絶対に上位表示するべき」とは必ずしも言えないことも念頭に置いておきましょう。
ミドルキーワード
ミドルキーワードは、ビッグキーワードよりも検索意図が絞り込まれた掛け合わせキーワードが主に該当します。
「SEO」がビッグキーワードだとすると、「SEO コツ」はミドルキーワードと言えます。
ビッグキーワードと比べると検索される数は少ないため、上位表示された際の期待流入数も少なくなりますが、ビッグキーワードと比べると検索意図が明確なケースが多く、対応するべきコンテンツ内容もはっきりさせやすいのが特徴です。
また、ビッグキーワードに該当する大きな概念(テーマ)を形成するのがミドルキーワードですので、ミドルキーワードに対応するコンテンツを網羅的に作成していくことで、サイト全体でそのテーマに関する専門性が高まり、結果的にビッグキーワードでも上位表示されやすくなります。
ビッグキーワードに固執して重要なミドルキーワードを取りこぼすことがないよう、後述の方法でキーワードを調査していきましょう。
ロングテールキーワード
「ロングテール」とは、「1つ1つの売上が少ない商品でも、そのような商品の数が多ければ、それらを合計した売上は全体に占める割合も多くなる」という考えです。
これを検索キーワードの考え方に当てはめたのが「ロングテールキーワード」です。
1つ1つの検索ボリュームは少なくても、それらのキーワードの数を合計すると無視できない検索ボリュームになるケースがあります。
また、非常なニッチなキーワードなので、検索意図はミドルキーワードよりも更に絞り込まれ、より真に迫った検索であるとも考えられます。
競合性も比較的低いため、しっかりと検索意図に対応するコンテンツを作れば上位表示もしやすいでしょう。
ただ、前述の通り1つ1つの検索ボリュームは少ないため、1つのコンテンツから得られる流入数も多くは期待できません。
ロングテールから数を多く獲得したい場合は、対応するコンテンツも数多く作っていく必要があります。
とは言え、「質より量」で粗製濫造してしまっては、検索ユーザーの意図に対応できるコンテンツにならず、ユーザーの満足度は下がる一方になり、そもそも検索順位も上がらないでしょう。
また、質の低いコンテンツや似たようなコンテンツが多いと検索エンジンに判断されるとサイト全体のSEO評価にも影響する可能性もあります。
ロングテールでニッチなキーワードを手広く拾っていくにしても、1つ1つ丁寧にコンテンツを作成しなければ意味がないため、手当たり次第ではなく、しっかりとターゲットを分析し、戦略的にコンテンツを展開していきましょう。
ツールを活用してSEOキーワード探そう
ここからは実際にSEOで施策するキーワードを探す具体的な方法を紹介します。
もちろん、前提はサイトの目的とターゲットが明確になっており、狙いたいキーワードの方向性が定まっていることです。
その上で、検索ボリュームの多いキーワードや、関連キーワードや派生キーワードを洗い出し、キーワードの取りこぼしや選定ミスがないようにします。
広範に渡る検索キーワードを想像だけでリストアップするのは困難であり、個人差も出てしまうため、以下に紹介するツールを活用することをおすすめします。
キーワードプランナー(Google広告)
キーワードプランナーは、Googleが提供するキーワード調査ツールです。
本来はGoogle広告(リスティング広告)の出稿者向けのツールですが、「そのキーワードが月にどれくらい調べられているか」「そのキーワードの関連キーワードは何か」を調べられるため、SEOにおけるキーワード調査にも非常に役立ちます。
キーワードプランナーにログインすると、上記のように「新しいキーワードを見つける」「検索のボリュームと予測のデータを確認する」という2つのメニューが表示されます。
特定のキーワードから派生する別のキーワードを調査したい場合は「新しいキーワードを見つける」、キーワードが月にどれくらい調べられているかを知りたい場合は「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択します。
ただし、前述のように本来はGoogle広告の出稿者向けのツールですので、広告に出稿していないユーザーは一部機能が制限され、検索ボリュームを正確に知ることができません。
正確な検索ボリュームを調査したい場合は、広告出稿しているGoogleアカウントを使うか、少額でも良いので新たに広告出稿をしましょう。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、無料で使えるキーワード調査ツールです。
調査したいキーワードを1つ入力すると、Googleサジェストに表示されるキーワードを拡張して表示してくれます。
思いがけない掛け合わせキーワードが見つかったりもするのでキーワード調査において非常に便利ですが、各キーワードの検索ボリュームは分からないため、キーワードを洗い出した後は前述のキーワードプランナーで検索ボリュームを調査するのがおすすめです。
また、会員登録をしていない状態では1日の使用回数に上限があります。
無料で会員登録をすれば使用上限を増やせますが、有料プランであれば更に多くの機能が使えるため、本格的に使用したい場合は有料会員登録も検討すると良いでしょう。
ahrefs
ahrefs(エイチレフス)は海外発の世界的なSEOツールです。
有料のツールではありますが、サイトの被リンク調査や競合調査の機能が充実しており、SEOに取り組むなら登録しておきたいツールの1つです。
ahrefsには「キーワードエクスプローラー」という機能があり、キーワードの検索ボリュームや、関連キーワードの調査ができます。
また、そのキーワードで上位表示されているページや、過去の上位ランクインページの推移も確認できるため、どんなページが評価されているのか確認するのにも使えます。
キーワードの検索ボリュームや関連キーワードを調べるだけならGoogleのキーワードプランナーでも充分ですが、競合サイトのコンテンツやGoogleのキーワード解釈を詳しく調査したい場合にはahrefsが役立ちます。
Google Search Console
クロール、インデックス状況やサイトの流入状況を確認できるGoogle Search Consoleですが、キーワードの発掘にも使えます。
「検索パフォーマンス」の項目で、実際の表示クエリが確認できますが、その中で「表示回数が多く掲載順位が低いクエリ」に注目してみてください。
これは、検索需要が一定数あるにもかかわらず、該当するコンテンツがない(もしくは評価が低い)ため、順位が上がっていないクエリということになります。
既に該当するコンテンツがある場合は、そのページをブラッシュアップすることになりますが、該当するコンテンツがない(関係ないページがランクインしている)場合は、新規でコンテンツを作成すると良いでしょう。
Google Search Consoleでは実際に施策しているキーワードでちゃんと順位がついているか、クリックされているかを検証したり、同じキーワードで複数のページが表示されて評価が割れていないか検証したりできるため、キーワード戦略を立ててSEO施策を行う上では必須のツールです。
施策と検証を繰り返して改善しよう
以上、SEOキーワードの考え方やおすすめツールをご紹介しました。
ここでご紹介した内容は、これからSEOを進める上での最初の一歩に過ぎません。
サイトの目的とターゲットを明確にし、施策するキーワードが決まれば、あとはユーザーの検索意図に答える良質なコンテンツを作っていくのみです。
もちろん、一度で良いコンテンツを作ることは誰にでも出来ることではありません。
しっかりと仮説を立てることは重要ですが、施策を行っていく中で検証をして、結果が良くなければもう一度深くユーザー心理を分析してコンテンツを改善していく…。
この地道な繰り返しこそが、施策キーワードで上位表示させるための唯一の方法と言えます。
キーワードの裏にいる検索ユーザーとしっかりと向き合いながら、SEOに取り組んでいきましょう。
サイトの集客を増やすため、キーワードを選定してお役立ちコラムを大量に用意したものの、流入数が増えるばかりで肝心のコンバージョンや売上には繋がっていない。
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